1. 非課税資産の輸出等を行った場合の仕入れに係る消費税額の控除の特例
(1) 内容(法31条1項)
事業者(免税事業者を除く。)が国内において非課税資産の譲渡等のうち輸出取引等に該当するものを行った場合において、その証明がされたものは、課税資産の譲渡等(特定資産の譲渡等を除く。)に係る輸出取引等に該当するものとみなして、仕入れに係る消費税額の控除の規定を適用する。
(2) 非課税資産の譲渡等のうち輸出取引等に該当するもの(法7条1項・令17条2・3項)
- ① 本邦からの輸出として行われる非課税資産の譲渡・貸付け
- ② 非課税とされる外国貨物の譲渡・貸付け(①に該当するものを除く。)
- ③ 非居住者に対して行われる非課税とされる役務の提供で国内において直接便益を享受するもの以外のもの
- ④ 利子を対価とする金銭の貸付け、預貯金の預入、金銭債権の譲受け等の行為で、その債務者が非居住者であるもの
- ⑤ 有価証券等の貸付けで非居住者に対して行われるもの
(3) 課税売上割合(令51条1・2項)
国内において行った非課税資産の譲渡等のうち輸出取引等に該当するものの対価の額は、課税資産の譲渡等の対価の額の合計額に含まれるものとする。
また、国内において行った非課税資産の譲渡等に係る対価の返還等の金額のうち輸出取引等に該当するものの金額は、売上げに係る税抜対価の返還等の金額に含まれるものとする。
(4) 証明方法(規則16条1・3項)
① 保存による証明
(1)の証明は、その書類又は帳簿を整理し、その非課税資産の譲渡等を行った日の属する課税期間の末日の翌日から2月を経過した日から7年間、納税地又はその取引に係る事務所等の所在地に保存をすることにより行う。
② 一定の保存方法の許容
その課税期間の末日の翌日から2月を経過した日から5年を経過した日以後の期間における保存は、一定の方法によることができる。
2. 国外移送(令48条2項)
(1) 内容(法31条1項)
事業者(免税事業者を除く。)が、国外における資産の譲渡等又は自己の使用のため資産を輸出した場合において、その証明がされたものは、課税資産の譲渡等に係る輸出取引等に該当するものとみなして、仕入れに係る消費税額の控除の規定を適用する。
(2) 課税売上割合(令51条3・4項)
資産の輸出に該当するものに係る資産の価額に相当する金額は、資産の譲渡等の対価の額の合計額及び課税資産の譲渡等の対価の額の合計額にそれぞれ含まれるものとする。
なお、この場合における資産の価額は、本船甲板渡し価格とする。
(3) 証明方法(規則16条2・3項)
① 保存による証明
(1)の証明は、その書類又は帳簿を整理し、その資産の輸出をした日の属する課税期間の末日の翌日から2月を経過した日から7年間、納税地又はその取引に係る事務所等の所在地に保存をすることにより行う。
② 一定の保存方法の許容
その課税期間の末日の翌日から2月を経過した日から5年を経過した日以後の期間における保存は、一定の方法によることができる。
3. 適用除外(令51条1項)
有価証券、支払手段及び金銭債権の輸出は非課税資産の輸出取引等及び国外移送には含まれないものとする。