1. 課税貨物に係る消費税額の還付
(1) 還付(法32条4項)
事業者(免税事業者を除く。)が、保税地域からの引取りに係る課税貨物に係る消費税額の全部又は一部につき、他の法律の規定により還付を受ける場合には、一定の方法により計算した金額をその還付を受ける日の属する課税期間における課税仕入れ等の税額の合計額とみなして、仕入れに係る消費税額の控除の規定を適用する。
(2) 控除しきれない金額(法32条5項)
(1)の規定により、還付を受ける消費税額の合計額を、その還付を受ける日の属する課税期間における課税仕入れ等の税額の合計額から控除して、控除しきれない金額があるときは、その控除しきれない金額を課税資産の譲渡等に係る消費税額とみなして、その課税期間の課税標準額に対する消費税額に加算する。
(3) 相続・合併・分割があった場合(法32条6項)
① 相続
相続により、被相続人の事業を承継した相続人が、被相続人による保税地域からの引取りに係る課税貨物に係る消費税額の全部又は一部につき、他の法律の規定により還付を受ける場合には、その相続人による保税地域からの引取りに係る課税貨物に係る消費税額の全部又は一部につき還付を受けるものとみなして、(1)・(2)の規定を適用する。
② 合併・分割
①の規定は、合併により事業を承継した合併法人又は分割により事業を承継した分割承継法人について準用する。
2. 控除対象仕入税額(法32条1項)
(1) 全額控除の場合
その課税期間における課税仕入れ等の税額の合計額※から還付を受ける消費税額の合計額を控除した残額
(2) 個別対応方式の場合
次の①の金額に②の金額を加算した金額とする。
- ① 課税資産の譲渡等にのみ要する課税仕入れ等の税額の合計額※から、課税資産の譲渡等にのみ要する課税貨物につき還付を受ける消費税額の合計額を控除した残額
- ② 課税資産の譲渡等とその他の資産の譲渡等に共通して要する課税仕入れ等の税額の合計額に課税売上割合を乗じて計算した金額※から、課税資産の譲渡等とその他の資産の譲渡等に共通して要する課税貨物につき還付を受ける消費税額の合計額に課税売上割合を乗じて計算した金額を控除した残額
(3) 一括比例配分方式の場合
課税仕入れ等の税額の合計額に課税売上割合を乗じて計算した金額※から、還付を受ける消費税額の合計額に課税売上割合を乗じて計算した金額を控除した残額
※ 仕入れに係る対価の返還等を受けた金額に係る消費税額を控除した残額