海外から輸入した調整対象固定資産

輸入貨物の課税標準と税額

海外から輸入をした資産のうち、調整対象固定資産に該当するようなものがある場合には、
① 調整対象固定資産に該当するか否かの判定を行い
② 調整対象基準税額(変動調整)又は調整対象税額(転用調整)算出
することになります。

この時の①と②金額の計算方法を下記に説明をします。

1. 調整対象固定資産の課税標準

まず、調整対象固定資産になりそうな資産があれば、「調整対象固定資産の判定」を行います。

具体的には、国内で仕入れた資産については、課税仕入れであれば「支払対価の額×100/108」、特定課税仕入れであれば「支払対価の額」につき、100万円以上判定を行います。

一方、輸入貨物についての100万円以上判定は「課税貨物に係る課税標準である金額」をもって行いますが、この課税貨物に係る課税標準である金額は次の算式で求めます。

関税定率法に準じて算出した価格 消費税以外の消費税等 関税

これが条文上記載されている内容であり、かつ、予備校のテキスト等に記載されているものですが、はっきり言ってかなり分かり辛いものになっていますので、それぞれの意味を説明します。

(1) 関税定率法に準じて算出した価格

関税定率法に準じて算出した価格は「CIF価格」とも言われ、「Cost=原価・費用」「Insurance=保険料」「Freight=貨物運送料」から構成されています。

したがって、CIF価格には、輸入品の卸売価格(原価)保険料運賃、その他の加算要素(売り手が買い手から原材料を無償で提供される当該部材の評価額など)を加算して算出します。

ただし、CIF価格は、貨物を保税地域から引き取る時の価格となるため、保税地域から引き取った後にかかる「据付費用」や「運送費」「試運転費」「保管費」などはCIF価格には含まれませんので注意しましょう。

(2) 消費税以外の消費税等

これが分かり辛いの極地ですが、意外と単純。「酒税等の個別消費税」のことを指しています。

問題文で「引取りに当たり税関に納付した消費税額は1,000円、地方消費税額は270円である。」とあっても、その消費税は個別消費税ではないため、課税貨物に係る課税標準である金額の計算に当たっては使用しませんので注意しましょう。

(3) 関税

これは、CIF価格 × 関税率で算出します。基本的に関税の額は、消費税法の試験においては問題文で与えられます。

2. 調整対象基準税額又は調整対象税額

調整対象基準税額又は調整対象税額は、必ず問題文で与えられます

具体的には、「引取りに当たり税関に納付した消費税額は1,000円、地方消費税額は270円である。」といった具合です。

「課税仕入れ」や「特定課税仕入れ」の場合は、自分で課税標準額に6.3/108又は6.3/100を乗じて算出する必要がありますが、輸入貨物については問題文で与えられた引取の際に支払った消費税を使用します。(上記の具体例であれば1,000円を使用します。)